皆様は、どのように光強度ノイズ(RIN: Relative Intensity Noise)の測定をするかご存じですか。
光強度ノイズは、レーザーのパワーが変動する雑音で、その正確な測定には高度な知識と技術が求められます。そのため、専用の光強度ノイズを測定するシステム(アナライザ・測定器)の使用が必要になります。
本記事では、光強度ノイズ測定器の用途とメリット、製品を選ぶ際に気を付けるべきポイントなどをご説明します。さらに、SYCATUS製品の1つ「A0010A RIN測定システム」の特徴について、ご紹介します。
これを読めば、光強度ノイズ測定器の構造や利点に対する理解を深めることができるでしょう。それでは、早速本題に入りましょう。
光強度ノイズ測定器の特徴
光強度ノイズ測定器は、レーザーのパワー変動から生じるノイズを測定する装置です。その使用方法について理解することは、より正確な測定結果を得るためには必要不可欠です。
アナライザを介して検出された数値結果は、レーザーの性能や安定性を定量的に評価するための重要な指標となります。特に、通信用レーザーでは、相対強度ノイズが少ないことが求められます。
光強度ノイズ測定器のメリットは、その高い測定精度と、測定結果をリアルタイムで得られる点にあります。これにより、即座に問題を特定し、改善策を講じることが可能となります。
光強度ノイズ測定器の使用法
次に、光強度ノイズ測定器の使用法について詳しく見ていきましょう。
①光強度ノイズ測定器を起動し、ウォームアップを実施します。
ウォームアップが不十分だと測定の確度が確保できないので、起動後少なくとも1時間は費やす必要があります。
②光強度ノイズ測定器の測定条件を設定します。
測定対象のレーザーの目的に応じて、周波数範囲、測定ポイント数、平均回数などを設定します。ランダムな雑音測定では、複数の測定結果を平均化することにより、雑音特性の解析が可能になります。
③光強度ノイズ測定器の熱雑音校正を実施します。
相対強度ノイズ測定器の熱雑音を正しく除去するために、ウォームアップなどによりシステム機器の温度が変化した場合や、周波数範囲など測定条件が変わったときは、必ず校正を実施します。
④測定対象のレーザーの光パワーを光アッテネーター(減衰器)により調整します。
測定のSN比を確保するために、光パワーを光強度ノイズ測定器に許容される最大値を超えない範囲で、なるべく大きい値に調整します。
光パワーを調整するためにレーザーの駆動条件を変えてしまうと、相対強度ノイズが変わってしまうので、必ず光アッテネーターを用います。
⑤測定対象のレーザー光を光強度ノイズ測定器に入力します。
安全のため、接続する際には光アッテネーターのシャッターを用いてレーザー光の漏出を防ぎます。
※接続方法は、アナライザの種類や測定対象のレーザーにより異なりますので、各製品の取扱説明書を参照してください。
⑥接続が完了したら、光アッテネーターのシャッターを解除して測定を開始します。
⑦測定が終了すると、測定結果が光強度ノイズ測定器に表示されます。
これらのステップを踏んで測定を行い、数値結果を分析することで、レーザーの品質を測定することが可能です。
以上が、光強度ノイズ測定器の基本的な使い方と特徴です。
次の章では、製品を選択する際のポイントについて、詳しく見ていきましょう。
製品を選択する際のポイント
市販の光強度ノイズ測定器を使用すれば、高精度な測定を即座にすることが可能です。また、企業によってはサポートやメンテナンスも提供されるため、万が一故障や不具合などが発生したときは、安心して修理を依頼することができます。
以下に、光強度ノイズ測定器を選ぶ際に重視すべきポイントを挙げてみましょう。
- 感度:光強度ノイズ測定器の感度は、低レベルのノイズを検出する能力を示します。高感度の光強度ノイズ測定器を選択することで、微細なノイズも捉えられるようになります。
- 周波数範囲:測定したい強度ノイズの周波数範囲をカバーしているかどうかを確認します。低周波から高周波まで広範囲に対応しているアナライザが理想的です。
- 測定精度:繰り返し測定を行った際に、同じ値を示すかどうかが重要なポイントとなります。再現性の高い光強度ノイズ測定器を選ぶことで、信頼性の高いデータを得ることができます。
- 使いやすさ:操作性やデータの可視性も大切な要素です。直観的なインターフェースや見やすいディスプレイは、スムーズな分析を助けます。
光強度ノイズ測定器を選択する際は、上記の点を考慮し、システム全体の要件とバランスを取ることが求められます。
次に、多くの企業様から信頼をいただいているSYCATUS(※)製の光強度ノイズ測定器についてご紹介します。
※ SYCATUS(シカタス)とは?
株式会社SYCATUSは、光通信、レーザー、センサーなどの幅広い分野で、最先端の光学技術を駆使した製品を開発している企業です。中でも、光ノイズ測定器は高い評価を得ており、全国の研究機関や企業様に採用いただいています。
SYCATUS 光強度ノイズ測定器の特徴とメリット
SYCATUS製の光強度ノイズ測定器「A0010A RIN測定システム」は、その精度と使いやすさに定評があります。
この光強度ノイズ測定器は、幅広い周波数範囲での測定が可能で、データ解析ソフトウェアも付属しています。ソフトウェアは、詳細なデータ解析を可能にし、結果をグラフや表でわかりやすく表示します。これにより、レーザーのノイズ強度や特性を瞬時に理解することが可能となります。
ここからは、SYCATUS の光強度ノイズ測定器の特徴3つをご紹介します。
特徴1:幅広い帯域に対応
SYCATUSの光強度ノイズ測定器は、最大で50GHzまでのワイドな周波数範囲で光強度雑音を測定することが可能です。そのため、様々なレーザーのノイズ特性を詳細に解析することができます。
特徴2:操作が簡単
SYCATUSの光強度ノイズ測定器は、操作性にも優れています。タッチパネルを採用し、直感的な操作で測定条件を設定できます。
また、測定結果はすぐにグラフに表示され、その場でデータの分析や確認が可能です。これにより、効率的に光強度ノイズの分析が行えます。
特徴3:高精度な検出と安心の国内製
SYCATUSの光強度ノイズ測定器の最大の利点は、その高い精度と信頼性にあります。
製品は厳しい品質管理のもと、日本国内で製造されています。
高度な独自の技術により光強度ノイズ測定器全体の精密な校正を実施し、測定の精度を確保しています。
SYCATUSの光強度ノイズ測定器は、長期間にわたって安定した性能を発揮します。また、器差が非常に少ないため、全世界的な標準器として、信頼性の高いデータを提供します。
以上がSYCATUS製の光強度ノイズ測定器「A0010A RIN測定システム」の特徴と利点です。
SYCATUSの製品は、測定の正確性、機能、ソフトウェアのユーザビリティなどの要件をすべて満たしています。高度な光学技術を活かしたこの測定器が、レーザの開発・製造・評価における信頼のパートナーとなれば幸いです。
まとめ
今回の記事では、光強度ノイズ測定器の使用法とメリットについて考察し、さらに測定器選択のポイント、SYCATUSの測定器の特徴と利点について述べました。
光強度ノイズ測定器を選択する際には、測定範囲、精度、操作性など、様々な要素を考慮し、個々の目的や環境に適した製品を選ぶことが重要です。製品の特性を理解し、最適な設定や使用法を把握することで、より正確な測定結果を得ることができます。
光強度ノイズ測定器は今後も光通信や光計測の分野において幅広い用途に活用されるツールであると言えます。
また、ITやAI化が進む現代、技術の進歩によって私たちの生活や社会は、さらなる向上を遂げることでしょう。
お気軽にお問い合わせください。
SYCATUSは、光通信と光センシング分野における測定の先駆者として、20年以上にわたり、測定のためのハードウェアとソフトウェアの統合システムを提供してきました。
これからも、専門性、独自性、正確性を基軸として開発された革新的な光計測技術を、全世界に発信してまいります。
また弊社では、光測定に関する様々な疑問やシステム機器の導入に関するお悩みに対して、専門的なアドバイスを提供しています。
弊社の専門スタッフが、光測定に関するさまざまな問題の解決をお手伝いをさせていただきます。